ー外壁塗装に防水塗料は効果的？使用するメリットとデメリットー

住まいを雨水の侵入から守る方法の一つに、防水塗料を使った外壁塗装があります。

防水塗料は伸縮性を持っており、塗膜が高い防水効果を発揮できるため、ひび割れが生じやすい外壁の保護に有効です。

 

今回は、防水塗料について解説するとともに、外壁塗装に使用するメリットとデメリットを紹介します。

 

外壁塗装を検討中の方や、お住まいの防水性能が気になる方はぜひ参考にしてください。

 

 

 

 

防水塗料の特徴

防水塗料は、優れた防水性能を持っており、あらゆる建物に広く利用されています。外壁を保護し、建物の耐久性を向上させる効果があります。

 

伸縮性に富んでいることも、防水塗料の特徴の一つです。防水塗料の塗膜は伸縮する性質を持ち、建物の動きや外壁の変形に適応しながら、ひび割れの発生を防いだり既存のひび割れを埋めたりする効果が期待できます。

 

外壁塗装に使われる防水塗料には、「高弾性塗料」と「微弾性塗料」の2種類があり、弾性機能を持つ合成樹脂を使用した「硬質塗料」と呼ばれる硬化剤も存在します。

 

 

防水塗装のメリット3選

外壁に防水塗装を行うメリットは、以下の3つです。

 

1. 1．外壁材の劣化を防止する
2. 2．ひび割れからの雨水の侵入を防止する
3. 3．建物を長期間守る

 

順に詳しく解説します。

 

1．外壁材の劣化を防止する

防水塗装を行うメリットの一つは、外壁材の劣化を防止できることです。防水塗装が施されていないと、外壁材は雨水を吸収しやすくなります。外壁材が水を吸い膨張したあと、乾燥して収縮することで徐々に外壁材は劣化します。

 

防水塗装を施すことで外壁を雨水から守り、外壁材の劣化を抑えることが可能です。

 

 

2．ひび割れからの雨水の侵入を防止する

ひび割れからの雨水の侵入を防止できることも、外壁に防水塗装を施すメリットの一つです。防水塗装は、弾力性を持った塗料で塗装を行います。

 

建物の揺れによってできた微細なひび割れも、使用する弾性塗料の塗膜が伸びてカバーするため、雨水の侵入を阻止できます。

 

 

3．建物を長期間守る

防水塗装を行うことで、建物の安全を長期間守れるメリットがあります。外壁塗装に防水塗料を使用することにより建物の防水性を保つことで、住宅を長期間健康な状態に保つことが可能です。

 

ひびからの水の侵入は、外壁材だけでなく建物内部へも影響を及ぼし、雨漏りを引き起こす可能性があります。雨漏りはカビの発生や木材の腐食につながり、悪化すると建物の構造部分の修繕が必要となり、高額な費用が発生することもあるため注意が必要です。

 

防水塗装は建物の防水性を高め、雨漏りのリスクを軽減することで、住まいの健康を守ります。

 

 

 

 

防水塗装のデメリット2選

外壁の防水塗装には、以下の2つのデメリットがあります。

 

1. 1．大規模なひび割れには対応できない
2. 2．施工が向かない外壁材もある

 

順に見ていきましょう。

 

 

1．大規模なひび割れには対応できない

防水塗料は小さなひび割れには効果が見込めますが、幅1mmを超える大きなひび割れには対応できません。大きなひびは先に修復作業を行ってから塗装する必要があります。

 

外壁にできたひび割れの深刻度は大きさによって異なるため、専門の外壁塗装業者による診断と適切な修理が大切です。

 

 

2．施工が向かない外壁材もある

防水塗料はすべての外壁材に適しているわけではなく、外壁の種類や状態によっては施工方法を調整する必要があります。

 

適切な塗料選びと施工方法には、専門知識を持つ外壁塗装業者からのアドバイスが大切です。

 

 

 

防水塗装の3つの施工方法

防水塗装には主に以下の3つの施工法があります。

 

1. 1．単層弾性仕上げ
2. 2．複層弾性仕上げ
3. 3．微弾性塗料仕上げ

 

それぞれの施工内容を詳しく紹介します。

 

 

1．単層弾性仕上げ

単層弾性仕上げは、戸建て住宅に多く採用される防水塗装です。シーラーを使って下塗りを施し、上から弾性塗料を二回塗りして仕上げる方法です。

 

単層弾性仕上げは、塗膜を厚くすることで弾力性が増し、ひび割れへの抵抗力が強まります。ただし、複層弾性仕上げと比較すると、弾力性は3分の2ほどになります。

 

 

2．複層弾性仕上げ

複層弾性仕上げでは、シーラーでの下塗り後に弾性塗料を二度塗りし、その上に好みの色の上塗り塗料を二度塗りする、全部で5回塗りの工程で仕上げます。

 

塗膜が厚くなることで防水性と耐久性が向上し、外壁の色も自由に選べる点がメリットです。ただし、工程が多いため、かかる費用は高くなります。

 

 

3．微弾性塗料仕上げ

微弾性塗料仕上げは、微弾性フィラーを使用して下塗りを行ったあと、好みの塗料で二回塗りをして仕上げる施工法です。ほかの二つの方法に比べて弾力性が持続する期間は短いものの、微小なひび割れならフィラーで埋めることが可能です。

 

コストを抑えつつ、好みの外壁色に仕上げられる点も微弾性塗料仕上げのメリットといえるでしょう。

 

 

 

防水塗装に向いている外壁材

防水塗装が効果を発揮しやすい外壁材は、モルタルやコンクリート製です。

以下でそれぞれの特徴を詳しく解説します。

 

 

モルタル外壁

モルタルはセメント・水・砂を混ぜてつくられる外壁材です。元々の防水機能が低いため、外壁塗装で防水機能を加えることが必要になります。

 

外壁塗装が劣化すると、モルタルが水分を吸収して膨張します。膨張したあと乾燥して収縮する、というサイクルを繰り返すことで起こるのがひび割れです。

 

雨水の侵入を防げる防水塗料は、ひび割れが生じやすいモルタル外壁におすすめの外壁塗装といえます。

 

 

コンクリート外壁

コンクリートは一般住宅やマンションの外壁材として広く利用されています。しかし、防水性が低いため、劣化すると表面が剥がれやすくなったり、雨水が侵入することで内部の鉄骨が錆びたりするリスクがあります。

 

コンクリート製の外壁材の劣化を防ぐには、表面を保護できる防水塗料での塗装が有効です。

 

 

 

まとめ

今回は、防水塗料の特徴と外壁塗装に使用するメリット・デメリットについて紹介しました。モルタルやコンクリートのようにひび割れが生じやすい外壁には、弾力性のある防水塗料が向いています。

 

外壁塗装は時間と共に自然と劣化するものです。お住まいの外壁の防水機能を維持するためにも、定期的に状態を確認し、外壁塗装でのメンテナンスを行いましょう。